季節は秋、これからどんどん寒くなっていきます。
温かい飲み物が恋しい季節になってきました。
カフェに勤めていたときのことですが、寒くなってくると途端にカプチーノやカフェラテのオーダーが増えてきます。
女性客の多い店だったのでホットコーヒーの3倍はカプチーノが出ていました。
ラテアートとかかわいいですしね。
で、実際にお客様にご提供していてクレームとまではいかないですがご意見として言われていたのが「このカプチーノぬるいね」という言葉。
もちろん作るのに失敗した訳では無く、お店で検証して美味しいと判断した温度で提供していました。
そうです、カプチーノの美味しい温度ってぬるい温度なんです。
カプチーノ(カフェラテ)って
エスプレッソにスチームで温めて泡立てたミルクを注いで作るドリンクです。
エスプレッソのしっかりした苦味とふんわり泡立てたミルクの口当たりと甘さが味のポイントのドリンクです。
エスプレッソよりミルクの割合が多いので、ドリンクとしての温度はミルクの温度によって決まります。
美味しいカプチーノがぬるい理由
美味しいカプチーノの温度
ズバリ55度です。
カプチーノの味を優先したお店ならだいたいこのぐらいの温度で提供しています。
僕が勤めていたお店でも55~60度で提供するようにと決められていました。
ホットコーヒーなどはだいたい80度位の温度で提供されるのでそれと比較するとカプチーノの55度はだいぶ低い温度です。
ではなぜそんなに低い温度になるのかというのはミルクに理由があります。
ミルクの理想の温度
エスプレッソマシンでミルクを温める特は蒸気(スチーム)で撹拌しながら温めます。
この時の理想の温度は65度以下と言われてます。
理由はミルクのタンパク質です。
ミルクのタンパク質は70度を超えると変質してしまって固まってしまうんですよね。
70度を超えたミルクは泡が固く口当たりの悪いものになってしまいます。
ゆで卵の白身を想像してもらえると解りやすいと思います、一度変質して固まってしまったタンパク質は温度が下がっても元に戻らないのです。
ミルクを熱しすぎると壊れてしますんです。
70度を超えて温め過ぎたミルクはカプチーノの肝でもある滑らかな口当たりではなくなってしまいます。
甘さが1番の温度
ミルクの甘味成分であるラクトースが1番出るのが60~70度と言われています。
使うミルクによって結果は変わると思いますが、お店で検証した時は60度のミルクが1番甘みを感じました。
カップに注いだり、お客様のところに持って行ったりするうちに少し冷めるので、60~65度くらいに温めたミルクでカプチーノを作ると、提供する頃に55~60度になってます。
カプチーノがぬるい理由はミルクの温度の為なのです。
まとめ
中に熱いカプチーノを出すお店はあります。
そういったお店はぬるいというクレームがたくさん入った店なのだと思います。
日本人は熱いものはフーフーと吹いて冷まして飲む文化があるので、飲み物が熱い事にクレームは滅多に入らないのですが、ぬるい事にはすぐクレームが入るんですよね。
とても残念な事だと思います。
一度熱いカプチーノと、適温のカプチーノを飲み比べて見て欲しいです。
泡の滑らかさとミルクの甘さが全然違いますから。
美味しいカプチーノはぬるく感じるものだと知っておいてくれると嬉しいです。
それでは。