スペシャルティコーヒーを提供しているお店ではコーヒーの味を、"ピーチやオレンジの風味"なんて感じで果物で表現されています。
「コーヒーなのにピーチの香りがするの?飲んでみたけどわからないんですけど。」と思われる人がほとんどでしょう。
でも果物を想わせるフレーバーをコーヒーは持っています。
このフレーバーを感じとれるようになるとコーヒーを飲むのがさらに美味しく楽しくなります。
僕も最初の頃はよくわからなかったのですが、だんだん風味を感じとれるようになり、今ではコーヒーの違いを楽しんでます。
今回は僕が違いがわかるようになった飲み方をご紹介します。
フレーバーの違いを感じる方法
すする様に口に入れる
フレーバーを感じ取るには口の中でコーヒーの液体を霧状にするのが一番です。
そこで僕がやっている方法は、『コーヒーを飲むときに、口をすぼめてカップに付けて少量だけ勢いよくすすること』です。
少々はしたないですが、ラーメンをすするようにズズズッと音を立ててコーヒーを吸い込みます。
こうする事で液体が霧状になって口の中に入ります。大量に入れるとむせて危ないので、小さじ1杯ぐらいをすするので十分です。
コーヒーを口に入れた後、口を閉じて鼻から息を抜くとよりよひフレーバーが感じ取れます。
最初は具体的にオレンジだとかピーチだとかわからないでしょうが、何となく「ちょっと果物っぽい香りがする」とか感じられるはずです。
ずっとすすってると流石に恥ずかしいので最初の一口目ぐらいにしておいて下さい。
感覚を養おう
最初は上記の方法を試してもよくわからないと思います。
たくさんの数を経験しないといけないです。
たくさんのコーヒーを飲んでいると段々風味がわかるようになってきます。
出来ることならいつもの同じコーヒーを飲むのではなくいろんな種類のコーヒーを飲んで下さい。
いつものお店でいつもと違うコーヒーを注文する、行ったことない初めての店に行ってみるなどたくさんの経験をしてみましょう。
いろいろ飲むことで感じられる味の幅が広がります。
表現するためにはもともとの果物などの味や香りを知ってないと難しいですね。
日頃から様々な食べ物を食べてるようにするのも大切です。
お店ではどうしているのか
お店によって違うでしょうが、僕が勤めていた店ではカッピングという方法をしてました。
カッピングはコーヒーの味を見るスタンダードな方法、バイヤーが買い付ける時や国際品評会で使われてます。
具体的な方法の記述は省略しますがボウルに入れたコーヒーの粉にお湯を注いだだけのフィルターを通さない液体で味を見ます。
スプーンにコーヒーを取って口によせて吸い込みます。上手な人は「ピュ〜〜〜イ」というような笛の様な音が出ます。
勢いよく吸い込んでコーヒーを霧状にするのです。
(さっきオススメした方法はこのコーヒーを吸い込んで霧状にするのをスプーン無しで再現した方法です。)
プロはカッピングでフレーバーだけでなく甘さや質感、透明感や酸質、バランスなどたくさんの項目をチェックしてます。
プロほどの精度で味を判別するには訓練が必要ですが、カッピングを覚えるとコーヒーの味の違いがよりわかる様になります。
体験会や教室を開いているお店もあるので、コーヒー好きは一度参加してみることを強くオススメします。
コーヒーのフレーバーの違い
コーヒーの香りはそんなに違いはあるのかと疑問があるでしょう。
コーヒーには実際300種類以上の香りの成分が含まれていると言われています。
300種類ある香り成分の強弱が複雑に絡み合ってコーヒーの魅惑な香りになっています。
例えるなら何十種類ものスパイスを使ったインドカレーのような物です。
カレーはスパイスの香りが複雑に重なり合っていい香りになってます。
コーヒーの香りもそんな複雑さが魅力なのです。
コーヒーの違いが出る要因として、コーヒーの品種、産地、生育時の天候、収穫後の精製処理などそれぞれ違いがあります。それぞれの差によってコーヒーの風味に違いをもたらせます。
また焙煎や抽出方法によっても味の違いはでてきます。
こういった要素によってコーヒーの味に違いが出るので、生産国が同じでも農園によって味が違う。同じ農園の豆でもお店によって味が違う。
この違いを楽しむのが僕の今のコーヒーの楽しみ方です。
最後に
少し前まで生産国ごとの大きな括りで分けられているものがほとんどでした。
それが今は農園や生産者単位の細かなロットで手に入り、しかもCOEやダイレクトトレードなどのおかげで年々品質が向上している。
コーヒー好きにはいい時代になったなと感じます。
色んなコーヒーが入って来ているので楽しまない手はないです。
フレーバーを感じれる様になるとコーヒーがさらに美味しく楽しくなるのでぜひ試して見て下さい。
それでは。